失踪都市 所轄魂 笹本 稜平 (徳間書店)
2014/7/31 1刷 1650円(税別)
初出:「読楽」2012/6月号~2013/7月号
装幀:鈴木俊文(ムシカゴグラフィクス) カバー写真:アフロ
笹本氏初期作品からの追っかけファンの筆者です。所轄魂シリーズ2作目読了しました。
話の筋と関わり無く、著者の近年の傾向として、会話文での説明が多いと感じていたことを、「小説講座 売れる作家の全技術」の影響から、本書でも感じました。
また、「いい人ばかりが出てくる小説」の問題点と、「嫌な人間」が出てくる必要性や、「作者は登場人物を虐めてナンボ」問題。キャラクター造形の緻密さや魅力が小説の面白さに大事なことなど。
キャラの魅力ということでは、筆者の頭の悪さに原因があるとはいえ、登場人物が多すぎると感じてしまい、感情移入できる人物を絞っていただければと、単なる読者エゴであります。
警察キャリアと所轄モノでは、隠蔽捜査シリーズの魅力的キャラ神埼を思い出します。
本シリーズも更なるキャラ描写の充実を、次回作に期待したい追っかけ読者であります。