仁義なきキリスト教史 架神 恭介 (筑摩書房)
2014年2月25日 1刷 1500円(税別)
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本書のタイトル通り、映画「仁義無き戦い」を下敷きに、ヤハウエ組二次団体と、キリスト教を任侠団体に見立てた、キリスト教史ストーリーを展開します。
凝りすぎの広島弁にやや苦労しますが、本書で思い出したのは「聖(セイント)おにいさん」。
あの作者も博識でしたが、本書の著者はたいした人です。
各章に解説があり、真摯な研究姿勢がわかります。
著者の架神恭介氏は小学生のクラスの覇権争いに見立てた、マキャベの「君主論」を解説した「よいこの君主論」という前著もあるようで、難しいことをわかりやすくエンターテイメントにする難題をこなす才人です。
神の救いを切に求める筆者としては、完膚なきまで奇跡の到来が望めないのと認識し、呆然といったところです。
著者が過激な宗教信者に狙われないかと、少し心配にもなる1冊です。