女子と鉄道  / 女流阿房列車  酒井 順子

女子と鉄道  酒井 順子 (光文社)
2006/11/25 1刷 1300円(税別)
初出:「小説宝石」2004/2月号~2006/5月号
”はじめに”は「ユリイカ」2004/6月号「女子鉄ライフのススメ・・・・?」を改題

女流阿房列車  酒井 順子 (新潮社)
2009/9/20 1刷 1500円(税別)
初出:「小説新潮」2005/8月号~2009/5月号(不定期)+yomyom vol.11

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単行本(ソフトカバー) / 文庫版
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単行本 / 文庫版

「ユーミンの罪」で初めて読んだ著者の本。

高校生でありながら泉麻人氏に見出され、プロの書き手となったというだけに、面白い人ですね。著者の本がきっかけとなり「鉄道女子」が芽生えた、あるいは市民権を得たのかもしれません。

著者は宮脇俊三氏の以前からの読者で、本書のために鉄道好きを装ったわけでなく、根っからの、しかも独自のスタンスをもった「乗り鉄」だったようです。

それは従来の正統派男子「鉄」なら、マニアのマテリアルである時刻表や鉄道に関する(車両の形式等々)事物にそれ程思い入れはなく、鉄道の空気感に鉄道愛を持っているからなのでしょうか。だって乗車すると、安心してすぐに寝てしまいますし。

でも、旅(移動)好きで、ゆるい著者のスタイルは、ロードムービー的とも思え、一緒に旅した感覚になり楽しめました。

思えば元祖乗り鉄大先生の「阿房列車」が新潮社。

出版界の有名な「鉄人」らしい、新潮社の編集者が企画し、本家の書名を借りた「女流阿房列車」の方は大先生の作品とはことなり、「水曜どうでしょう」のサイコロ的な、ハードな企画ありきの本で、コラボ作品(相互乗り入れ企画)「鉄子の旅」(漫画)も集録されています。

遠方への移動では無いとはいえ、連続乗車と乗り換えに、トイレの時間をどうしたのか気になった、地下鉄企画は辛そうでした。

何れにしても、こんな旅をしてみたいと憧れ、再読したくなる2冊の旅本です。

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