キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇 石田 衣良 (文春文庫)
2014/9/10 1刷 540円(税別) 書き下ろし
なんと、時代考証が違う。
シリーズ・ファンゆえの読者エゴとノスタルジーを確認した「憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI」でしたが、スピンオフ「キング誕生」はシリーズと別物だったようです。
マコトとタカシが高校生だったIWGP誕生につながる、PHSが普及しはじめた90年代の物語ではなく、振り込め詐欺がテーマの、今より少し前を舞台にしたパラレル・ワールドでした。
1作目の記憶はさだかではありませんが、設定も微妙に異なるようです。
著者はシリーズの「追っかけ読者」を、意識せずに書きたかったのでしょうか。
文庫書き下ろしの本書を、嬉々として迎えた読者エゴは若干の不完全燃焼でしたが、1作目の再読をし、色々確認したくもなりました。